柱島(はしらじま)Hashirajima

昔からお宮(神社)には社殿に大きな柱がもちいられていることから、お宮は柱、ひとはしら、ふたはしらと数えていた。この柱島には、賀茂神社をはじめ多くの社(やしろ)が祀られていることから、多くの社(やしろ)のある島、多くの柱(はしら)がある島、つまり「柱島」となった。

 

岩国港の南東約26㎞まで高速艇で40分前後。面積3.12㎢、最高峰の金蔵山、浦庄の浜、島尻の浜、陸繋島の新宮の鼻、旅館、商店、郵便局、漁協、農協がある。携帯電話3社の他に一部の地域でUQWimaxが利用できる。


賀茂神社(加茂大明神社) Kamo Jinjya

祭神は神武天皇と五十鈴姫命(やまといはれひのみこと、たたらいすずひめのみこと)1177(治承元年)、平判官康頼、丹波少将成経の勧請と申し伝えている。1618(元和4年)再興、1636(寛永13年)、1659(万治2年)に改修。1854(安政元年)再建。島の産土神で、9月に祭る。神主 桑原氏 。境内神社9社。

  • 貴船大明神社…祭神 たかおかみ
  • 今宮社…祭神 わだつかみのかみ
  • 若宮社…祭神 仁徳天皇
  • 猿神社…祭神 さるだひこのかみ
  • 春日大明神…祭神 あめのこやねのみこと
  • 稲荷大明神…祭神 くらしねたまのかみ
  • 住吉大明神…祭神 うわつつのおのかみ、なかつつのおのかみ、そこつつのおのかみ
  • 荒神社
  • 大歳社…祭神 すさのおのかみ  

金蔵山 Mt.Kinzo

柱島群島の最高峰、金蔵山(283m)別名:周防小富士、麓から40~60分程度で山頂に行くことができる。登山道は柱島小中学校の校舎までは舗装されてるが、途中から未舗装となる。登山道途中に島を統治していた藤原穂智之墓が在り。この墓の辺りに柱島城の本丸があった。山頂部には旧海軍見張り所跡、三角点、山頂広場があります。金蔵山の登山はA:柱島桟橋からB:金蔵山登山口(柱島小中学校の裏)を目指してください。

  • 旧海軍見張り所跡…忽那(くつな)水軍の城や太平洋戦争時の海軍の見張り所が置かれた場所。煉瓦の建物の遺構があります。
  • 三角点…標高262.5mの三角点は柱島群島の中でも眺望が良好な場所として知られており登山者はこの場所を目指す。売店、トイレは無いが案内板とベンチが設置されている。山口県、広島県、愛媛県の3県境にある柱島からの多島美を望める場所です。
  • 山頂広場…山頂に修験者の修行をする場所(円形の祭壇やのろし台もあったらしい)、柱島自治会、柱島に行こう会、竹の会、岩国柱島海運、島づくり推進協議会で山頂広場の草刈りが定期的に行われています。

 

平成28年11月26日(土)東京池袋サンシャインシティで開催された「アイランダー2016」で公表、公益財団法人 日本離島センター「しま山100選」に山口県岩国市柱島の「金蔵山」が選定されました。これを機に休日に訪れる軽登山者の身近な目的地となるよう願っております。

 

↑金蔵山「しま山シート」PDFへのリンクです。


貴船の峯 Kobune no Mine

昔、見張り台と狼煙台があったらしい。島民は展望台と呼んでいる。A:柱島桟橋よりB:貴船の峯まで徒歩で30分程度です。沖は海軍柱島泊地、山口県周防大島町伊保田港に立ち寄るフェリーボート、「防予フェリー」(柳井~伊保田~三津浜)の航路が有り、柱島群島のうち「続島」「長島」「福良島」の眺望が愉しめる場所です。


浦庄の浜 Urajyo no hama

柱島の集落より南側にある砂浜の海岸、A:柱島桟橋からB:浦庄の浜まで徒歩で30分程度となります。途中の柏口の浜から賀茂神社までは登りの坂道です。浦庄の浜は新宮の鼻、続島(無人島)を望む海岸、夏季には島外の海水浴客が訪れます。昭和時代に海水浴客を直接船で運んでいた時のなごり、旧桟橋辺りに自家用船で乗付ける上級者もいらっしゃいます。

 

浜には売店、トイレ、シャワー、海の家などの便利施設はありません、定期的に海岸清掃は行われてますが海岸漂着物は台風が通過する度に流れ着きキリがありません。出したゴミは持ち帰ってください。瀬戸内海の豊かな自然の保護に御協力をお願いします。本土から僅か26㎞で別世界の柱島のビーチをお楽しみください。

 

平成28年7月30日に「山口県海岸清掃エコツアー」が柱島で開催されました。県内の小中学生と保護者を対象としたツアーでは海岸清掃、漂着物の調査、地引網体験、BBQが行われました。

新宮の鼻 Shingu no hana

新しく出来た八幡宮(北迫八幡宮)に由来する。引き潮になると歩いて渡れる陸繋島という地形です。明治終から大正時代に石灰を生産していた炉の跡があります。

  • 石灰…柱島群島の無人島の続島(沖続島)で採掘された石灰岩を新宮の鼻に運び石灰を焼き島外に出荷していた。新宮の鼻の石灰炉は直径2m高さ6mの円筒型の堅窯が2基並んでおり、周囲の石垣も残っている。この炉の中に、続島で採掘された石灰岩を3~5cmに砕いたものと、その約10%の木炭を交互に入れ、下から空気を送って燃焼させて石灰(生石灰)を造っていた。(ふるさと学習資料 柱島読本 柱島群島の成因と鉱物より)

続島 Tsuzukishima

柱島群島の無人島、名前の通り島が砂浜で弓型に繋がっている島です。浦庄の浜、洲鼻の先に見える島です。

  • 大正の初めには、続島の中央部(中続島)に煉瓦の煙突をもった亜鉛の溶鉱炉が造られ操業していたが、付近の樹木が枯れる(煙害)ので中止された。

昭和63年8月4日、柱島中学校による沖続島の地層が調査された。しゅう曲した地層の下に石灰岩が見られる。(柱島読本より)

平成27年5月13日、RCCテレビ「未来へ」取材 戦艦「陸奥」の謎の爆沈の現場、当時を知る世代の島民へのインタビューが行われました。

島尻の浜 Shimajiri no hama

柱島の集落より北側にある砂浜の海岸、A:柱島桟橋からB:島尻の浜まで徒歩で20分程度となります。海岸沿いを通るので道は平坦です。蔵根鼻~すみだの鼻まで続く直線で1㎞のビーチです。端島、中小島、手島、小柱島を望めます。浜には売店、トイレ、シャワー、海の家などの便利施設はありません、夏季でも島外の方は知らないビーチなので空いてます。満ち潮の時は砂浜は狭いです。

  • 端島…有人島
  • 小柱島…無人島
  • 中小島…無人島、端島と手島の間にある岩
  • 手島…無人島、水が出ると言われている。ウサギを飼育していたと言い伝えがある。
  • 保高島…無人島、手島より北側にある。

平成27年から一部で護岸工事、迂廻路あり


柱島一周農道 Hashirajima ishuu noudou

昔々、島民は集落の裏側の田畑へ山道を背負子(しょいこ)を担いで移動してました。やがて昭和、モータリゼーションの波が訪れ車で農作物を運搬するようになりました。そんな頃に柱島を一周する農道ができました。島内を一周できる7㎞の平坦な道は海岸より一段高く、瀬戸内海の多島美を感じながら散歩できるハイキングコースです。柱島小中学校のある中ノ区、牧地区、来見地区の集落を結んでいます。

 

柱島自治会では【道つくり】と呼ばれる農道の清掃を春と秋に行っています。島づくり推進協議会では樹木伐採機を使用した竹林整備を行っています。柱島群島は「豊かな自然に恵まれた昔ながらの暮らしの中にも訪れたくなる魅力のある島」の実現を目指しています。